「うー寒い・・・っ」
「ほんとさっむいよね~・・・」
「二人とも大丈夫?あ、これ貰いものだけどよかったら使って」
「わーホッカイロ!ありがとう~!」
学校からの帰り道。季節はすっかり冬になり、冷たい風も容赦なくふいている。
いつものように自然に集まった2年生の面子は、肩を寄せ合って帰路に着いていた。
「名前は寒いの平気なの?」
「うーん、別に寒くないわけじゃあないけど・・・暑いのよりは平気かな~。ほら、寒いのは重ね着したりホッカイロ使えばなんとかなるけど、暑いのはいくら服を脱いだところで限界があるじゃない?」
「まーほんとに暑いときって、ジッとしてても汗がでるしね・・・」
「体育の授業のあととか即行シャワー浴びたいよね」
「そうそう、裸になったって暑いもんは暑いんだよねー」
「何気にさ、ブラジャーのここがいちばん汗かかない?」
「あーわかるー、ここでしょ?」
「そこが一番締め付けてるし、汗かきやすいよね」
「っていう悩みがないところで、暑いか寒いかでいったら寒いのがマシ派かな」
でも早く暖かくなってほしいよねー、などと他愛もない話をする女子組。
しかし忘れてはならない、男子組もこの場にいることを。
「・・・なぁ、なんでうちの女子ってこうもさ・・・・・」
「あぁ、まるっと筒抜けだな。」
「俺たちがまったく聞こえてないとでも思ってんのかな、ったく・・・って、鳴上!?鼻血!?」
「いや、問題ない。名前が暑い日に裸でぐったりしてるのを想像したらちょっと」
「ちょ、おま、そこは確かに妄想しやすいワードだったけど赤裸々に言葉に出すな、俺だって言わないようにしてんのに!」
「そんな陽介も顔が赤いぞ。正直に言ったらどうだ、ん?」
「の、ノーコメントで・・・//////////」
男同士の確かなシンパシーを感じて意味もなくうむ、と寒空の下、頷きあったそのとき、
「ねー二人とも!二人は、寒いのと暑いのだったらどっちがーって、鳴上くん鼻血!大丈夫!!?」
ネタ提供人、名前は当然、自分の発言が男子の脳内でそんな流れになっているとはつゆ知らず声をかけた。
「大丈夫だ、問題ない。ちゃんとティッシュは持ってるから」
「あ、”お鼻セレブ”いいよね。たくさんかんでも鼻がヒリヒリしなくて」
「で、寒いか暑いかだったらどっちがいいかって質問だよな?もちろん暑いのだな」
「えー、鳴上くんこそ冬っぽいのにー。じゃあ花村くんは?」
「え!?えーと、お、おれもまぁ、暑いのが、好きかな・・・」
「花村くんもかー。まー夏はお祭りや夏休みがあるし、それはそれで楽しいかー」
「っていうか花村、あんたはどうせ女子の水着やら服装が見たいだけでしょーが」
「えっ、花村くんそれじゃただのオヤジ・・・!」
「ちょおお里中!変な決めつけすんなっ!そして天城もオヤジって!健全な男子高校生ですオレは!!」
「健全な男子高校生だから、わざわざ二人に水着も買ってあげたりしたんだよな、花村」
「えぇ!?そんなことあったの!?さ、さすが都会育ちは贈り物もすすんでいらっしゃる・・・っ/////」
「ちょっ、誤解すんな苗字!それはそこの鳴上も同意したことであって」
「ま、まさかあの水着もそんな意図でわざわざ・・・!」
「花村くん・・・」
「なんで俺だけ悪者なんだよおおおおおお!!!」
「・・・ねぇ鳴上くん。君がどんなにイケメンでも、鼻にティッシュ詰めた状態はやっぱりちょっとお間抜けになっちゃうね」
「名前も詰めるか?」
「やりませんwwww」
お年頃の少年少女が繰り広げるバトルを目の前に、どこまでもマイペースな鳴上と名前の会話が恨めしい陽介であった。