How to go 6

私 を 連 れ て 行 っ て 。




天城救出劇から明けて 4月19日。

「あー・・・天城が無事だったのは嬉しいけど、わかんねーことばっかりだな・・・」
そう、ぼんやりしながら愛車をこいでいると案の定、
『危ない!』
「えっ、うわ!?」
目前に迫った飛来物。あわや顔面直撃かと思わず目を瞑ったが、予想された衝撃は一向にこない。こわごわ目を開けると、そこには見知った髪型の後姿があった。
「・・・苗字・・・?」
「おはようございます、はなむら先輩」
俺の弱々しい呼びかけに、なんとも丁寧な朝の挨拶をしつつ苗字は俺にぶつかるはずだった手のひらサイズのボールを俺の進行方向に投げ戻した。キャッチしたのは同じく登校中だったのであろう小学生。
ごめんなさーい!と元気よく走り去っていく無邪気ながきんちょの姿を見送って、苗字は俺に向き直った。

あれ、なんか、・・・あれ?



苗字、さん、うちの生徒だったのか?その制服・・・」
「今日からです。1年生として。一応、入学式からいたことにしていますので」

まじかよ!そもそも い た こ と に し て る ってどーゆうこと!?
入学手続きどうしたんだこいつ!!

こんな俺のリアクションなど予想の範疇だったのだろう、微動だにせず会話を続ける。
「思うことは色々あると思いますけど、とりあえず学校に向かいましょう。」
登校時間は決まっているんですよね、といいながら前へ向き直ってさっさと歩き始める苗字を俺はあわてて自転車から降りて追いかける。
「な、なぁ苗字さんっ、あのさっ・・・」
「呼び捨てで」
「へ?」
「私は1年、ようすけは2年。ようすけは先輩。だから呼び捨てでけっこうです。」
「・・・もしかして、それで敬語なわけ?」
「そうです」
上下関係はこうして徹底するもの、なんですよね?と、小首をかしげてまっすぐな目で見つめてくる。


初めて会ったときから、決して何か嫌なこととか失礼なことを言われたわけではないが、苗字名前の言動はどこか浮世離れした感じがする。それは昨日、鳴上が指摘したように、彼女が「人間じゃない」せいなんだろう。きっと俺たちの世界の常識というものを、手探りでなぞりはじめたところなのだ。
その常識の無さついでに、こいつは自分の見た目がいかほどのものかも多分わかっていない。

「?はなむら先輩?どうしました?」
「いやっ、別に何でも・・・・!」

耳まで赤くなってくるのが自分でもわかって、思わず顔をそらした。
道行く八高生の視線が痛いほど降り注ぐ。

いや、俺、今だから言うと早紀先輩のこと、きれいだな〜って思わず見つめてたこととかあるよ?
天城はあの通り美人枠、余裕だし?
里中もなんだかんだ言いつつ、かわいい部類だと思ってる。
アイドルのりせちーは見るたび、きゃんわぅぃいい!って思うよ。
うん、ストライクゾーンは決して狭くないほうだと思う。
でも、だからってなんでもいいわけじゃなくてだな。


白状しよう。俺はこんなきれいな子、見たことが無い。